%e5%95%86%e5%ba%97%e8%a1%97山形県鶴岡市の山王商店街はすべての電柱が地中化され、ゆったりとした歩道に背の低い外灯が行灯のように立ち並ぶ、幻想的とも言える美しい商店街です。コンビニやチェーン店もなく、暗闇をロマンチックに楽めるような、大変魅力的な場所です。古くからのお店が軒を並べ、互いに顔の分かる、気の置けない仲間とでも言うべきコミュニティがしっかり残っています。
5〜10月に月1回ずつ行われるナイトバザールには、市内外からたくさんの人が訪れますが、車道にはくるまが通り、また夜店でさまざまなおいしい食べ物が売られてるにも関わらず、座って食べたり休憩したりする場所が少ないため、お店で買ってそのまま車で家に帰ってしまう人も少なくありません。
 また、年々進む高齢化によって、まつりの運営や設営がだんだん厳しくなっている現状があり、イベントの存続そのものも安泰ではないということでした。
今回のプロジェクトは「近い未来」と「遠い未来」、2つの未来への道しるべとなります。「近い未来」というのは、このナイトバザールというお祭り自体をより楽しく、魅力的なものにすることによって、若い人たちの参加や関わりを増やし、山王商店街のイメージを向上させ、徐々に増えつつある空き物件を、起業する若者たちが有効活用していけるような雰囲気や仕組みをつくっていくということです。つまり、「お祭りを編集することで商店街をブランディング」していくということです。
「遠い未来」というのは、ちいさなこどもたちが、夏の夜の一夜の思い出として、美しい星空のもと、露店を巡り、食べ、みんなで気兼ねなく笑いながら映画を観た、というあたたかい「まちの記憶」が自分のルーツへの愛情を生み、そういった積み重ねが将来またまちへ戻って自分でなにか始めよう、このまちへ恩返ししよう、という気持ちを醸造していくということです。

そこで、まつり会場である山王通りを歩行者天国とし、訪れた人たちが思い思いに食べたり休んだりする居場所を確保しながら、その通りの中心に屋外映画館を設置します。星のあふれる夏の夜空のもとで、こどもからお年寄りまで誰もが、時に歓声を上げ、時に大声で笑いながら、一夜限りのとびきり楽しい屋外上映を満喫します。
運営費用は補助金等は一切使用せず、クラウドファウンディングを中心に約120万円を集めることに成功しました。

_dsc4593s9月17日土曜日、天気予報では曇り時々雨でしたが、朝から光が射し、スタッフは前日ミーティングで決まった各自の分担に従って、はやる気持ちを抑えつつ、早朝から設営準備にかかりました。_dsc4627s _dsc4657s会場設営チーム、進行管理チーム、受付入場対応チーム、特殊演出(4Dチーム)に分かれ、てきぱき。足場屋さんがあっという間にスクリーンを設置すると歓声が上がり、通行規制が始まって車道に人工芝が敷かれると、テンションは最高潮(笑)。いよいよ始まるぞ、と緊張も走り始めました。_dsc4664s _dsc4661sところが本番前にぽつぽつと降り始め、雨雲レーダーとにらめっこ。4Dチームは「どうせ濡れるんだからちょっとくらい降っても大丈夫だよね。」なんて前向き発言。
こんなお天気のなか、いったいどれくらいの人が来てくれるんだろう、とどきどきしていましたが、開場前から親子連れがにこにこ待ちわびていて、開くと同時に芝生の真ん中にピクニックシートを敷いて陣取ってくれました。嬉しい!_dsc4743s その後も人はどんどん増えて、子ども連れご家族は芝生に、お年寄りは後ろのベンチシートに、あっという間に埋まってしまいました。何も知らずにナイトバザールに来た家族が、こどもに無理矢理手を引かれて入場してくれた瞬間は心の中で小さくガッツポーズをしました。(笑)

_dsc4711s_dsc4752s _dsc4773s薄闇残るあいだ、スクリーンにはCMが流れ、いよいよ始まる予感がうずうず。鶴岡市の丸山氏と、スターパイロッツ三浦の挨拶のあと、とうとうスタートしました。
商店街の空きビルの壁に浮かび上がる白いスクリーン。映写機からのびる光の三角形。そしてそれに見入るたくさんの真剣なまなざし。あっという間に映画館ができあがり、会場の外からも立ち止まってタダ見(笑)するたくさんの人だかりができました。

_dsc4819s_dsc4827s最初のクライマックスは4D班が客席に向かって水をかける瞬間。当初は農作業用の噴霧器を使う予定でしたが、水の出があまりに細かくささやかなので(笑)直前になってペットボトルの水を振り回すことに。客席からは悲鳴と笑い声が溢れ、頭にタオルを巻く人、傘をさす人も。
ぶたのお面をかぶって客席を走りまわる演出は、タイミングを間違えて実行できず、発泡スチロールと新聞紙のガレキを振りかける演出は軽すぎてうまく投げられず、周辺にぱらぱらと落ちるだけ(笑)。でもでも、それも愛嬌で済まされてしまうのがアナログ4Dのいいところ。黒子の衣装を着たスタッフたちが、ストップウォッチを片手に走り回る姿は客席からも笑い声が漏れました。_dsc4858s _dsc4864s映画終盤、プテラノドンが群衆を襲うシーンでは、いよいよ段ボール製の恐竜が4匹、客席上空を羽をゆらしながら優雅に舞い、こどもたちはスクリーンそっちのけで立ち上がり、つかまえようと走り回りました。img_0921最後のシーン、島に残されたT-Rexが遠吠えした瞬間にスクリーンの照明がつき、スタッフみんなで客席にお菓子を投げました。またガレキを投げられる、と思ったこどもたちは、それがお菓子と分かった瞬間に喜び、がれきくずの中から必死にお菓子を拾い出そうと走り回り、幕が下りました。
あっという間の2時間。まるで夢の中の出来事のようなキラキラした瞬間でした。_dsc4946s

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