所在地:東京都新宿区
用途:個人住宅(一部テナント貸し)
延床面積:97.87m2
撮影:淺川敏
完成:2010年4月

スイミーハウス

まちに寄り添う小さな箱たち

都心に建つ小さな住宅。
周辺の大通りには高層ビルが建ち並ぶが、敷地の周りはかろうじて低層の住宅も残っている。住人は夫婦+子ども2人。妻は化学物質過敏症を発症している。DSC_3752「小振りな部屋の方が落ち着く」という希望と、症状改善のためどの部屋にいても光や風が大らかに通り抜けることが必要だったので、各部屋がまるで村落のように集合し、それがそのまま露わになっているような住宅を考えた。DSC_3702

一筆書きで繋がったボリュウム群は立体的に積み上げられるが、それぞれを台形にすると隙間が生まれると同時に、構造的にも互いに支え合い安定することが分かった。また部屋どうしを廊下を介せずぴたりと付けることで、奥の部屋や窓の外に広がる外の風景が、同じように近しく感じられるようにした。また、化学物質を極限まで排除した材料や工法を学びながら、施主に確認を取りながら、それを実現すべく工事監理にも最大限の注意を払った。
建物がどんなに巨大化・高層化したとしても、それによってひとつの部屋のスケールは大幅には変わらない。わずかに残る低層住宅に対して圧迫感を与えず、なおかつ関わり合いながら集まって住むことが楽しく豊かであるような存在感を持たせた。現代社会が生んだ病に苦しむ人たちが、隔離するのではなく、共存し関わり合いながら生きていく権利を持っていることは言うまでもない。

イラスト1