所在地:東京都大田区
用途:事務所兼住宅
構造:木造地上2階建て
延床面積:194.85 m2
撮影:淺川敏
完成:2015年12月

ハウスカット

縮小時代に住み慣れたまちに残り続ける

s_大森現状正面

敷地の2/3が計画道路にかかるという条件に対して、この場所で長きに渡って葬祭業を営んできた施主家族は「たとえ建物が1/3になってもこの場所に留まりたい。受付するだけでもいいから、これからもこの場所で商売を営んでいきたい。」と願った。そこで「切り取り点線」のような分割可能ラインをあらかじめ埋め込んだ建築を計画した。

s_配置図

 

計画道路以外にもたとえば遺産相続、核家族化などで生活空間を縮小せざるえない状況は増えている。その際に、住み慣れた場所を離れるのではなく、その地に留まりながら器を小さくすることができれば、建物も住人も全取っ替えする乱暴な開発から少しはまちを救えるのではないか。増築を前提とした建築のつくりかたから、減築を前提とした建築のつくりかたへとシフトすべき時代が来ていると思う。

空間構成に関しては、「大まかにざっくりつくる」ことを心がけた。異なる機能の部屋を、現時点の最適解として計画的に配置していくというよりも、プロポーションの異なる9つの部屋をグリッド状に並べるだけで、あとはその時の必要性に応じて使い手が再設定していける方が自由だ。

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・住まいの環境アワード2016 奨励賞