所在地:神奈川県横浜市
用途:教育施設
延床面積:3,143m2
完成:2008年5月
※横浜国立大学建築学教室と共同設計

横浜国立大学建築学棟改修工事

緑あふれる知の雑木林

研究室という“巣”を中心とした従来の大学空間は、専門領域の集中研究や貴重資料の機密保管には適しているが、今後はそれらをいかに開かれた知として活用・発展させていくか、つまりより活発な相互連携、ダイナミックな知的交歓が必須となる。そのためには空間もそれに同調し、開かれた風通しの良い場である方が好ましい。研究室が多くを占める5〜8階では南北の通風を確保したラウンジ空間を新設し、異なる研究室に属する学生たちが、明るく開放的な環境のもとで互いの気配を感じながらも、快適な居場所を確保できるよう計画した。

60mm角の鉄骨で構成されるグリーンウォールには、自動灌水されるプランターを設置し、常緑で吸着型のツタ類と落葉で巻きつる型のつる植物が8種類植えられている。

鉄骨フレームの躯体壁面レベルには横ストライプ状にエキスパンドメタルを、また、窓レベルには登攀補助材を設置し、ツタ類がエキスパンドメタル部に繁茂し、つる植物が登攀補助材に沿って生育することによって、建物全体が季節の衣替えをするように被覆される構成になっている。

計画、構造、設備などのさまざまな工夫が独立して組み合わされるのではなく、すべてが密接に関わり合いながら、結果的に「一つの空間をつくりあげる目標に向かっているような存在感」を持つべきだと考えた。建築を志す学生たちが、窓先の植物のささやかな生長に目を細めながら、建物自体を活きた教材として多様にフル活用してくれたら、と思う。