所在地:岡山県西粟倉村
用途:保育園
延床面積:約 776.91 m2
完成:2018年3月

にしあわくらほいくえん

村ぐるみで山を育て、子どもを育てる

林業を中心に先進的な試みを続ける人口1500人の西粟倉村に建つ、村にたったひとつの保育園。2016年7月の設計プロポーザルにより受託した。この施設で育つ子どもたちは、自然を敬い、自然から価値や恵みが取り出せる人間になってほしい。森と人との関わり方を環境、産業、経済といった多様な視点から自然と学んでほしい。そのためには、村の木材はもちろんのこと、村の人材、技術、エネルギーなど、「オール西粟倉を編集し、この場所でしかできない新しい子育ての場を計画する事が必要と考えた。IMG_2314s_preview比較的小径で短めの村産材の特徴を配慮した架構を採用し、JASS認定や集成材加工など、村外への輸送がなくて済むような設計計画を立てた。IMG_2323s_preview
 
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性能上問題がなくても、美観上の理由で検査ではじかれてしまう木材や、通常利用されないフローリングの端材、丸太などを積極的に用い、あえてプレーナーをかけない仕上げも採用した。

また冬季は木質バイオマスによる熱エネルギーによって、夏期は敷地内に新しく掘った井戸の地下水によって空調をまかない、自然共生の自立循環型エネルギーシステムを実現した。こういった配慮によって、建築自体が子どもたちにとって自分たちの村の、あるいは林業の、幅広い可能性を示唆する教科書になるように願っている。さらに、地元のデザイナーや生産者らとも積極的に協働し、この施設のために開発した「百年の森林(もり)タイル」は、他の施設で使用されるたびに売り上げの一部が村の森林保全へ寄付されるような仕組みも新たにつくり上げた。